隣の甘々彼氏 -甘すぎる危険な毎日-



結局自転車登校はなぜか拒否されてしまった。


…なんでダメなんだろ?



「明日からちゃんと送ってくから、自転車で来るなよ?」

「………うん」



でも、前川のファンとかに見られたら大変なんじゃ…。



「ファンとか平気?」

「…ファン?」

「あれ?知らないの?」

「なにそれ?」

「心華が言ってたんだけど、なんか前川の事好きな子達が、勝手にファンサイト作ったらしいよ?」

「…なんじゃそりゃ。アホらし」

「ふふ。前川らしいね」

「うっせ」



そしてあたし達は学校を後にし、自転車置き場に向かった。



「カバン貸して」

「ん」



前川は、あたしと自分のカバンをカゴに入れた。



「荷台に乗って」

「ん」

「さっきから“ん”ばっか」

「え?そう?」

「うん。ほら」



あたしは自転車の荷台に乗った。



「しっかり捕まれよ」

「うん」



あたしは前川の背中に捕まった。



「…行くぞ」

「うん」



わぁ……あったかい。


前川の背中は心地よくて……あったかかった。





< 14 / 201 >

この作品をシェア

pagetop