隣の甘々彼氏 -甘すぎる危険な毎日-
「…なにこれ?」
教科書から出てきた小さな紙。
“後でメールして
080-****-****
keiya-ais.....”
前川のメアドと…電話番号。
「…いつのまに入れたんだろ」
不思議な人…。
思わず笑みが零れてしまう。
「メールしよっかな…」
前川の素顔はみんな知らない。
あたしだけが知ってるんだ。
なんだか嬉しい。
「心華にも言った方がいいかな」
こんなに笑ったのは、いつぶりかな?
男の子に、本音を打ち明けたのはいつぶりかな?
素顔のままでいられる男の子なんて初めてだなぁ。
この時はまだ気付かなかった。
前川に惹かれている事に…。
あたしの人生が動き始めた事に…まだ…気付かなかった。