隣の甘々彼氏 -甘すぎる危険な毎日-
なんで前川の隣の席なのぉ…苦手なのにぃ…。
あたしはため息をもらした。
「席替えは11月までないから、仲良くするんだぞ―っ!!」
じゅ…11月!?
今4月だから…約7ヶ月!?
半年じゃん!!
すると前川は、ジ―ッとあたしを見つめてきた。
「…なに?見ないでくれない?」
「…」
む…無視って…酷い…そりゃあたしだって言い方悪いだろうけど…。
「…下の名前で呼んでいい?」
「は!?」
な…なに言ってんの!?
無理!!絶対無理!!!!
「なんであんたに下の名前で呼ばれなきゃいけないのよ!?」
「俺も名前でいいけど?」
「あんたの名前なんて呼べなくてもいいんだけど」
「つれねぇの―っ」
前川って“クール王子”なんて言われてるわりに、全っ然クールじゃない。でもやっぱ苦手だぁ…。
キ―ンコ―ン…
何度目のチャイムなんだろうか。あたしは前川の謎について色々と考えていた。
「〜愛?美愛?」
「えっ…心華?なに?」
「もう放課後だよ?」
「うそ!?」
時計の針を見ると、3時30分と指していた。