無題
つめたくなったしょうじょのなきがらを

ほのおにほうりこんだしゅんかん

まっかなほのおのなかから

いちわのしろいとりがとびだしました




あたしはしらない

しらないしらないやってない

かなしいくやしいかなしいよ

かわいそうなおとうとたちよ

ないてはだめよ、まけてはだめよ

ねえさまがみていてあげるから――


しろいとりはかなしくいななくと

からすのようなままははから

のがれるように

はるかかなたのやまへとむかって

とんでいきました






――――――――――――――不如帰説話
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