無題
《不如帰》
遥か遥か遠い昔
万物が荘厳に煌めく太陽と
彼が支配する旭を愛した頃
見捨てられた小さな小さな雛鳥だけは
邪悪な鴉に怯えるあまり
朝日が照らす時間を棄てて
暁闇の忍び寄る夜に住まう
泣いて鳴いて哭いて
愛しいお天道様を想っては泣き
凛々しき日輪を懐かしんで鳴き
儚く美しい斜陽を浴びては哭く
鴉が眠る頃にようやく
はぐれた仲間を思い
戻れない日々を想い
日の下に行けぬ己を呪って
小鳥は眠る