また、いつか
「…っ、わ、私は…っ、貴方に会うまで死ねないって、死んじゃっても、貴方を見るまで成仏してやらないって、決めてたの」
「僕、を…?」
「…私、もう逝かなきゃ。今までに何度も連れていかれそうになって、その度に頑張って逃げたの。でも、もう無理だわ。最後に、最後にあなたに会えて良かった。…ふふ、これって感動の再会よね」

途中で泣きそうになりながらも、最後には満面の笑みで言ってくれた。そして言い切った直後、彼女を光が包んだ。

「…やだ、目敏いわね、神様。さよなら。また、会いましょう。また…、また、いつかっ」
「日夏詩!また、生まれ変わったら、僕の傍に居て!」
「…ふふ、当たり前じゃない。何度だって転生してやるんだから…っ!さぁ、逝かなくちゃ。さよなら、愛しい人…」

そういって消えてしまった。

僕は泣いていた。いつから泣いていたのかなんて、分からない。
でも、悲しいはずなのに、何故か心が温かかった。突き落としてくれた彼に、僕の大親友に感謝しよう。

僕は罪悪感と感動と、心の温かさに潰されて、それだけで死んでしまいそうだった。

君が突き落としてくれなければ、ずっと再会したかったかつての大親友に、二度と会えなかったから。

ねぇ、いつかまた、会えるよね。

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