また、いつか
リハビリと看護婦
「芦谷君、リハビリの時間です」
「……はい」
看護師さんが僕を呼ぶ。痛いから、リハビリは嫌いだ。
手首は捻挫で済んだ。ただ、肘は筋を傷めてしまった。青痣が目立つ痛々しい左手を軽く捻る、ボールを握る、グーパーグーパーの繰り返し。右足は皹が入ってしまったらしく、まだまだ歩けそうにない。
「うーん、まだ、痛むみたいね」
看護師さんはそう言った。痛いに決まっているじゃないか。青痣が悲鳴をあげているように見えて、更に痛々しい。
「まだ右足の皹が完治していないので、移動は松葉杖を使って。くれぐれも安静に」
「はい…」
僕の主治医はお爺さん。此処の総合病院の医院長よりも、うんとお年寄りだ。でもその分、腕は確か。
「芦谷君、お大事に」
「さっきのお友達と仲直り出来るといいわね。それじゃあ、病室に戻りましょう」
優しい、な。心が温かい。父さんとは大違いだ…母さんに、会いたい。