線香花火~ひと夏の小さな恋~
「いーよー、もう。杏李だから許してやるよっ。」

優馬は、ころっと表情を変えて無邪気に笑った。

もう、何年も前から見てきたこの笑顔。

近くにいすぎて、今はちょっと遠い。

それから私たちは、時間が経つのも忘れて話し込んだ。

一緒に帰る理由は、もっと違うところにあったのに、そんな事今は完全に忘れていた。

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