線香花火~ひと夏の小さな恋~
風間くんの私に絡みつく強引な腕が、するっと解けた。

「優馬・・・」

優馬は、とても怖い顔をしている。

今まで見てきた中で、一番恐ろしい顔をしている。

「あーん?なんだよ、優馬。それで王子様気取りか?」

風間くんは挑発するようにケラケラ笑った。

「杏李に触るな。」

優馬は、小さい声でうつむきながら呟く。

「あん?もう一度言ってみろ。」

「杏李に触んじゃねーって言ってるんだよ!バ風間!!」



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