線香花火~ひと夏の小さな恋~
校門が近くなった辺りで、私たちはぱっと別の方向にちらばる。

それまでの、他愛のない楽しい会話が、まるで無かったかのようにぱっと消える。

校門近くには、優馬のファンがたくさんいる。

だから、私なんかと一緒に歩いていたら、大変になってしまうから。

「じゃ。また後で。」

「うん!じゃあね!」

私は元気よく手を振った。

優馬も、軽く手を上げた。



< 4 / 58 >

この作品をシェア

pagetop