線香花火~ひと夏の小さな恋~
桃子ちゃんは、ちょっと悔しそう。

ケンちゃんは、「俺は桃子ちゃんを守ってる」と、

すっかり先輩気取り。

まぁ、先輩だけどね。


二人で売店へと歩いていた。

時計を見たら、もうなんだかんだで夜の6時30分をまわった所だった。

「あの、さっきはどうもありがとう。」

私は、さっきのお化け屋敷での事を思い出して、少し照れながら小さくお辞儀をしてみせた。

「ああ、大丈夫。怖すぎて気絶するかと思って、心配だったからさ。」

おどけてそう言った。
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