線香花火~ひと夏の小さな恋~
「おはよ!」

「おはー、杏李!!」

親友の、鈴木奈々子。

頭がよくて、おしゃれで、美人。

私が、すっごく尊敬している人。

「ほら、見てみ。杏李。今日もすごいね、本郷くん。」

奈々子が指差す先には、窓際の席に座る優馬・・・と、そのほか大勢の人たち。

わはははっと、聞こえてくる大勢の人たちの笑い声。

優馬も、楽しそうに笑っている。

「ねえ、杏李。杏李は、本郷くんの事好きじゃないの?
そんなに長ーい間一緒なら、少しは好きになったりとかないの??」

「ないね。そんな事、今まで一度だってない。」

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