線香花火~ひと夏の小さな恋~
その日の昼休み。

いつもどおり学食へ奈々子と二人で向かう。

「私、A定食~」

食欲旺盛な私は、普通は男子生徒が頼むような大盛りA定食を食べる。

「私は、B定食。」

小食な奈々子は、女子生徒御用達のヘルシーB定食。

「おぅ、桃城!」

はっとして声のした方を見ると、優馬がカツカレーを頬張りながらこっちに手を振っている。

優馬のまわりには、たくさんの人、人、人。

あの中に行くって言うのは、ちょっと勇気いる。

私は軽く手を挙げると、そのまま近くの席に座る。




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