線香花火~ひと夏の小さな恋~
「おい、来ねーのかよ!」

優馬が、ツッコミ口調で言って、こっちに来た。

当然、近くにいた女子はみんな白い目で私を見ている。

「ちょっと、なんでこっち来るのよ!」

私は、優馬にだけ聞こえる声でささやく。

「え!?ダメだった?」

優馬は、ちょっとうろたえるように言う。

「この雰囲気で、ダメに決まってるじゃん!」

「この雰囲気?って・・・??」

「んも、帰り話すっ!」

「了解。」

こうして、今日の放課後は優馬と二人で帰る事になった。
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