線香花火~ひと夏の小さな恋~
「ねえねえ、やっぱりいい感じじゃん。二人。」

昼ごはんを食べて、教室に戻る途中で奈々子が言う。

「そーかな。」

「そうよ!もう、付き合っちゃえばいいのに。」

奈々子は、かなりしびれを切らしているようだった。

「嫌よ。私と優馬は、そういう関係じゃないの。」

「じゃあどういう関係よ。」

「幼馴染っていうのもあるけど、ずーっと近くにいる、なんかこう・・・かけがえの無い存在?みたいな。でも、近くにいる時間が多すぎて、当たり前すぎて、もう・・・」

「なーなーこっ!!」

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