雪の種
考え事を吹き飛ばすように笑顔で話しかけてくれる叔母さん。
泣きたい気持ちをおさえてこくんと頷いた。
誰かが手を差しのべてくれたらあたしはこの暗闇からぬけ出すことができたの?
それでもきっと、あたしの心は弱いから周りを取り囲む影にさえも負けて光を知らないままさらに狭い世界に閉じこもっただろう。
……亮君。
君がいてくれたからあたしは前に進むことが出来た、未来を描くことが出来た。
亮君と出逢わなかったらあたしは今頃この世にはいなかったかもしれない。
―――――でもそんなに甘くはないんだ。
これから徐々にに歯車が狂い出す。
未来を真っ黒な絵の具でぐちゃぐちゃにしてしまうようなことが起こる。
誰がこんな仕打ちを用意したんだ、なぜ神様は助けてくれなかった?
…―――どうして?