3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「はい」
『実句か? 今月の中旬、行けそうだ。土曜日になると思う』
つまり、土曜日、泊まりに来るってことだよね?
「うん……分かった……」
『……』
私の返事を聞いたらすぐ切れるかと思っていたけど、電話の切れる音が聞こえない。
「朋くん……?」
『実句、具合でも悪いか?』
「へ? 何で?」
思いがけない言葉が返ってきて、間抜けな声を出してしまった。
『元気なさそうな声だったから……。いや、違うならいい。じゃぁな』
プッ。
また一方的に切られちゃったけど……心配してくれたんだね。
少し、心が軽くなったけど……。
私、最低じゃん。
大志くんのことで、朋くんに心配かけて。
大志くんには彼女がいて。
私には、朋くんがいる――。
それだけのこと。