3番目の高度合成数。-年下のキミと-
カランカラン、と重たい鈴の音を響かせて扉を開けると、マスターが迎えてくれた。
いつものカウンター席に座ってキョロキョロしてみるけど、大志くんが見当たらない。
「ホッ」
小さく呟いたのも束の間、カウンター奥から紙ナプキンを抱えた大志くんが出てきた。
「あ……いらっしゃいませ……」
目を見開いた大志くんを見て、一気に気まずさが溢れる。
やっぱ来なければ良かった、かも。
でも……。
「良かった」
大志くんが眉を下げながら、顔をクシャクシャとして笑った。
「実句さん、暫く(しばらく)来てくれないかと思って」