3番目の高度合成数。-年下のキミと-
・運命の恋人?
「さて、帰ろうかな」
暫くして私が立ち上がると、グラスを拭いていた大志くんがビックリしたようにこちらを見た。
「え、もう帰っちゃうんですか?」
「うん、お腹減ったし。ご飯は家で食べるから」
私が笑うと、大志くんは不安そうに眉を下げて見つめてくる。
その表情に、ちょっと心臓がキュッと縮まった感じがした。
「実句さんって、ここ、よく来るんですか?」
「週二、三回、一杯の紅茶でお邪魔してます」
私がへへっ、と笑うと、マスターが「何時間いてくれても大歓迎だよ!」とウインクしてくれる。
「そっか、じゃぁまた会えますね」
大志くんはホッとしたように微笑んだ。