3番目の高度合成数。-年下のキミと-
その大きな瞳に、心の奥まで見られているような気がして思わず目を逸らした。
大志くんが地面に向かって溜め息交じりにと笑ったように見えたのは気のせい?
「また、顔見せに来てくださいね。待ってます……」
そう静かに言うと、背を向けてお店の中に入っていく。
――何?
大志くんは何が言いたかったんだろう?
私は掴まれた左腕をさする。
実は、腕は全然痛くない。
でも……。
何でこんなに痛いの?
自然と右手を胸に置いていた。
何で、こんな気分になるんだろう?
何を気にする必要があるんだろう?
大志くんに彼女がいたって、何も変わらないのに。
土曜日から今日まで、何度も何度も、その思いが頭の中をグルグルしていた。