3番目の高度合成数。-年下のキミと-



「カンパ~イ」

 シックな居酒屋で男女八人、向かい合わせに座りながら乾杯をした。


 みーんな普通の人だった。


「ITとか言うから、もうちょっと暗そうな人が来るかと思ったけど、結構いいね」


 リナがこそっと耳打ちしてくる。


 リナってば、そんなイメージだったのによく参加決めたよね。



「実句ちゃん、だっけ?」


 少し前髪の長い人が話しかけてくる。

 えーっと、確か……。


「あ、俺、初谷昌春(はつや まさはる)。よろしく」


  名前を忘れたことを察してくれてか、自己紹介をしてくれた。確か、二十六とか言ってたっけ。


 なんていうか、かなり美形? スッとした輪郭に、はっきりとした二重瞼で中性的。

 全身から、自信っていうオーラが溢れている人だ。
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