3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「実句ちゃんは、IT勤めの男、どう? 結構嫌がる子もいるんだよね。安定しないんじゃないかって」


 指を交差させて組んだ手に、顎を乗せながら聞いてきた。


「いいと思います。私が勤めたいくらいです」


 私が答えると、初谷さんは目を丸くする。


「へぇ? IT業界に興味あり?」


「IT業界とか、IT企業っていうより、ヘルプデスクがしてみたくて」


 例え相手が本職の人でも、どうせもう会わない人だろうから図々しくても口に出せちゃう。


「珍しいね」

 初谷さんが笑った。


 私は嫌がられるのを覚悟で、仕事の話を聞きだすことにした。


 だって、これが目的だもん!
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