3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 私が警戒して眉根を寄せてると、初谷さんが軽く笑った。


「いやいや、勘違いしないでいいよ。駅でタクシー乗るの見送ったら帰るから。

女性を送るのは礼儀でしょ?」


 何だかよく分からないけど、とりあえず変な気がないってこと?


「実句ちゃん、彼氏は?」

「います」

「お、いいねぇ。どんな人?」


 彼氏の話を楽しそうに聞いてくるのを見ると、本当に変な気はないらしい。


 私は安心して、話を続けた。



「へぇ、じゃぁ、別れたらお互い居づらいから、付き合ってること内緒なんだ?」

「そうなんです。酷いですよね」

 付き合ってることを朋くんに口止めされてる理由を話すと、初谷さんが苦笑した。
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