3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「あら、タクシーいないね。歩きだけど俺、送って行くよ?」


 初谷さんがキョロキョロしながら、そう申し出てくれた。


 でも、さすがにそれはちょっと困る。

 いくらカッコ良くても、よく知らない人なんかに送ってもらいたくない。


「いえ、大丈夫ですから。いつも普通に帰ってるし」


「ダメだよ、女の子が危ないよ。どっち?」

 初谷さんの手が私の背中に添えられた。


 ……ヤダな……。


 でも、単なる厚意なのに拒否するのも失礼かも……。





 そんな風に考えていると、強い声が聞こえた。
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