3番目の高度合成数。-年下のキミと-

「僕が送りますから、ご心配なく」



 ハッとして振り返ると、数歩後ろに学生服姿の大志くんが立っていた。



「え……」




 何でここに?


 初谷さんと二人でビックリしてしまう。



「彼氏? ……なわけないか」

 初谷さんは大志くんを頭の先からつま先まで眺めると、そう呟いた。


 大志くんが一瞬、冷めた表情で目を細める。



「あ、弟とか?」


 初谷さんの質問に、私は首を横に振った。


「実句さん、帰りましょう」


 初谷さんを視線に入っていないかのように無視し、大志くんが片手をスッと差し出してくる。



 初谷さんはそんな大志くんを見た後、私の言葉を待っているみたいにローターリーの柱にもたれ掛かった。
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