3番目の高度合成数。-年下のキミと-

 でも、大丈夫かなぁ……。

 殆ど未経験なのに……。


 なんて、心配していたら。


「一緒に頑張りましょう」


 大志くんが胸の前で拳を作る。



「一緒に?」

「もちろん。僕もお手伝いしますから」


 一緒に……。



 なんか……単純に嬉しい、かも。



「うん、そうだね。頑張る」


 単純なのかも知れないけど。


 誰かが一緒に頑張ろうと言ってくれただけで、不安が期待に変わるのを感じる。



「じゃぁ、少しでも多く勉強する」

 そう宣言して、私はカウンター席で本を広げた。


「いつでも声掛けてくださいね」

 大志くんはそう微笑むと、食器を洗い始めた。
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