3番目の高度合成数。-年下のキミと-

 暫くすると、テーブル席の方からマスターが、トレーにカップを乗せて戻ってきた。


「あ、大志、お前、いつから来れないんだっけ?」

 マスターが食器を拭く大志くんに声を掛けた。


 来れなくなる……?


 まさか、バイト辞めるとか?


 私は手を止めて、大志くんの顔を見上げる。


「あー……」

 大志くんの目が泳いだ。


「やっぱ、バイト、来ちゃ、ダメですか?」

 おずおず、とマスターに尋ねる大志くん。


「ダメダメ。ご両親に俺が顔向けできない」


 キッパリ言い放つマスターの言葉を聞くと、大志くんがうな垂れた。

「普段勉強してるから、平気なのに……」


 あ~、なるほど。
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