3番目の高度合成数。-年下のキミと-
急いで来てくれたのか、大志くんの柔らかそうな髪が少し乱れていた。
直そうと思って髪に触ると、大志くんが目を丸くする。
「……?」
私が撫で終わると、大志くんは一旦自転車を降り、黙ってこちらを見ていた。
「どうしたの?」
なんか、非難するような視線なんですけど……?
「酔ってるのに、一人で夜道なんて危ないですよ」
大志くんが少し怒ったように呟いた。
「これくらいじゃ平気平気~」
私が軽く笑うと、大志くんは口をへの字に曲げる。
「そんなニコニコした女性がフラフラ歩いてたら、絡まれちゃいますよ」
「え~? 大丈夫だって~」
さらに笑ってみるけど、大志くんは全然笑ってくれない。
しかも、はぁ、なんて溜め息までつかれてしまった。
な、何なの~?