3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「……」
恥ずかしくて、手を離そうとしたけど、大志くんは余計にギュッと力を入れてきた。
全身の血が集まってるんじゃないかと思うほど、手に熱がこもる。
恥ずかしいとか、照れるとかじゃない、違う緊張が大志くんの手のひらから伝わってくる気がした。
――だ、だめだっ。
「た、大志くん?」
このドキドキに耐えれなくなって目を逸らすと、大志くんがパッと手を離した。
大志くんはその右手を眺めた後、空に掲げる。
「今日は手、洗わない……」
「ぷっ」
大志くんがポツリと言った言葉に笑ってしまった。
だって、凄い真剣な顔してるんだもん。
「ヒドイな、真面目に言ってるんですよ?」
大志くんが頬を膨らませる。
「あははっ、ごめん、入った」