3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「はい」

 出ると、大志くんの申し訳なさそうな声が聞こえる。

『すいません、まだ起きてましたか?』

「うん」

『……迷惑承知で言います』


 迷惑?


 大志くんが改まったように息を吐く音が聞こえた。


『実句さん、顔、見せて……』

「え?」


 どういうこと?


 その時、マンションの下を車が通った。



 同時に大志くんの電話からも車の音がする……。




 ……。



 鈍い頭にも、はっきり浮かんだ考え。



 ――まさか?




 フラフラと起き上がり、窓から下を見ると、街灯の下に自転車と……大志くんが立っていた。
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