3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 驚きで気持ちは焦るのに、力が入らずによたよたしながらやっと辿りつく。




 覗き穴から見ると、大志くんが下を向いていた。


 でも携帯は耳に当てていて。


 覗き穴から離れ、ドアノブに手をかけながら私は躊躇した。


「今人に会う格好じゃないよ……」


 そう携帯に向って言うと、大志くんも携帯に答える。


『ごめんなさい……。チェーン越しでもいいんです、一目顔見れれば帰りますから……』


「……」


 夜中にここで話してるわけにもいかないし……。



 私は終話ボタンを押すと、意を決してチェーンと鍵を外してドアを開けた。
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