3番目の高度合成数。-年下のキミと-


 あまりに突然のことで何が起こったか分からなかった。


「た……大志くん……?」


 私の肩に顔をうずめるようにしている大志くんの腕の力は優しくて。

 包まれている、そんな表現がピッタリだった。




「僕が、いつでも駆けつけますから……大丈夫です」




 私よりよっぽど辛そうな声で、そう呟いた。



 大事なもののように抱き締められて、暖かくて、温かくて。



 この体を押し返さないといけないのに、抱き締めて続けて欲しいなんて思ってしまう。


 誰かに大丈夫と抱き締めえてもらうって、こんなにホッとできるんだ――。






 ――でも。




「ダメだよ」




 私は漸く(ようやく)そう声に出すと、大志くんから離れた。


 大志くんが斜め下に顔を向け目を泳がせる。
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