3番目の高度合成数。-年下のキミと-
第四章
・元気の素
さすがにマスクで『cube』に行くわけにもいかず、久々に顔を出したのはもう木曜日だった。
「いらっしゃい」
マスターの少し驚いた顔を見ながら、私はいつものカウンター席に座った。
「実句ちゃん、心配してんたんだよ。体調でも悪かった?」
マスターも心配しててくれたなんて、素直に嬉しい。
風邪引いてたことを言うと、マスターが温かい蜂蜜レモンを出してくれた。
「でも、風邪引いたのが大志の休み中で良かったね。知ったら見舞いに押しかけてそうだもんなぁ」
そう言いながらマスターが笑う。
……その通りですけどね。
なんて言えるはずもない。