3番目の高度合成数。-年下のキミと-

「そういや、彼氏は来たの?」

 マスターがチラリと私の顔を盗み見る。何だか今までと違う反応な気がするのは気のせい?


「一応……。
私は熱出しててダウンだし、結局はお粥と薬を買いに行かせちゃっただけでしたけどね。仕事ですぐいなくなっちゃったし」


 私が肩をすくめると、そうかぁと、マスターが苦笑した。



 甘い蜂蜜の香りに癒されながら、店内を見回す。大志くんのいない店内は何だか寂しく思えた。


 ついでに言うと、お客さんもいないけど。


「大志くん、試験頑張ってますかね?」

 ポロッと呟くと、マスターが二カッと笑う。

「あいつ、ガリ勉だから大丈夫でしょ」

「ですよね」


 私も一緒になって笑う。



 確かに、大志くんってガリ勉なのかも。


 でも、勉強を頑張る大志くんっていいと思う。
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