3番目の高度合成数。-年下のキミと-
『……はい』
「あ、実句です」
自分から電話をかけてるのに、出たことに少し驚いてしてしまう。
『あぁ』
「あの、風邪良くなったよ、ありがとう」
『そうか……』
こちらの緊張に反して、聞こえてくるのはいつもの抑揚のない返事。
全然、興味なしって感じ? 報告なんていらなかった?
「じゃぁ……」
そう切ろうとしたとき、朋くんがポツリと何かを言った。
「何?」
『勉強なんてしてるから風邪引いたんじゃないのか? 遅くまでやってたんじゃないか?』
――え?
その言葉で薄っすら思い出せる記憶。
ガラステーブルに広がった教科書を、朋くんが片付けてくれていたような映像。
熱にうなされながら、それを見た気がする。