3番目の高度合成数。-年下のキミと-

「そんなに根詰めてやってるわけじゃないし……」


 何だか親に隠し事がバレたような、嫌な汗が出てきた。


『まさか転職するんじゃないだろう? そんなことのために時間を割いて何になる?』


 ……そんなことって……。


「勉強くらい、したっていいじゃない」


 携帯を握る手に力が入る。


『どうせ派遣なんだから、もっと適当に働いてればいいんじゃないのか?』


 え……。



「……どういう意味?」



 怪訝そうにそう聞くと、朋くんが黙ってしまった。

 私も黙っていると、朋くんが溜め息をつく。


『……忙しいからもう切るぞ』


 一方的に電話を切られる。


 ……。




 どうせ派遣なんだから?


 適当にって何?


 今の仕事すら否定するの?



「どうかした?」


 カウンターに戻ってきたマスターに、ぎこちなく笑って『cube』を出た。
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