3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「風邪、もう大丈夫ですか?」


 心配そうに眉を下げて聞かれて、私は慌てて頷いた。

「うん、もうすっかり平気。ありがとう」


「良かった」

 大志くんがホッとしたように微笑む。


 メールで大丈夫だよって何度もいってたのに、それでも心配してくれてたんだ。


 本当にありがたくて、温かい……。


 思わず見つめていると、こちらの視線に気が付いた大志くんが首を傾げる。


「あっと……今日はどうしたの?」


 そう聞くと、大志くんは自転車を押しながら真横に来た。

「お店にいたみたいだから、送りたくて」


 送ってもらえるのは嬉しいけど……。


「でも、大志くん、明日まで試験なのに勉強で忙しいでしょ?」


 その言葉に、大志くんが下を向く。

「……いいんです」

「?」
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