3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「ムシャクシャしたら、実句さんの顔見たくなって……来ちゃったんです」


 
「へ?」


「実句さんの顔見ると元気出るんです」



 大志くんがそう続けたとき、笑いが込み上げてきた。


 可笑しいんじゃなくて、嬉しくて。


 何かをしてもらうだけじゃなくて、そんな風に思ってもらえたことが嬉しかった。


「送っていいですか?」

 大志くんがおどけたように首を傾げる。


「今更送らないとか、逆にナシなんだけど?」


 笑いながらそう答えて、さっさと自転車の後ろに乗る。

 バランスをどうにか取りながら器用に大志くんも前に乗った。


 二人に笑いが漏れる。



 送ってもらうのは歓迎。


 だって、大志くんと一緒にいると楽しいし、嬉しい。


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