3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「……さすがに若いなぁと思うことはありますけど、子どもだなんて思わないですよ。教えてもらうこともある位ですし……」


 苦笑して言うと、おじさんは「そうかなぁ」と言って渋い顔をしてしまう。

 おじさんにとっては、大志くんは中学生でも高校生でも変わらない子どもなのかもしれない。



 大志くんがすぐ戻ってきたので、私はお礼を言って大志くんのお家を失礼した。


 外に出ると、温度差にブルりと体が震える。もう十一月になっているから、夜は冷える。

 寒くて自分を抱き締めるとフワリと、大志くんがマフラーをかけてくれた。


 あぁ、そっか……さっきこれを取りに行っててくれたんだ。


「ありがとう」

 マフラーを巻いて言うと、大志くんがニコニコしながら「いえ」と首を振った。
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