3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 こんな笑顔を見ただけで、最近の私はドキドキしてしまう。


「送っていきますね」


 自転車を用意する大志くんに、遠慮をしても無駄なことは分かっていたので、素直に後ろに乗った。


「もっとくっつかないと寒いですよ?」

「え、うん……」


 こないだは、自分からしっかり腰に手を回したけど、今日は何だか恥ずかしい。

 『cube』からここに来るときだって、しっかり掴めなかった。


「僕もちょっと肌寒いですし……」

「あ、そっか」

 パーカー一枚の大志くんの言葉にハッとした。自転車の前って寒いもんね。自分のことしか考えてなかった。


 ギュッと大志くんの背中にくっつく。

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