3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 マンション近くの角まで着いたとき、キュッと自転車が止まった。


「ジュース、買っていいですか?」

 大志くんが自販機に目を向ける。


「あ、いいね。私も飲む。どれがいい?」

 私はサッと降りて、自販機の前に立った。

「いや、僕がおごります、ジュースくらい」

 大志くんも自転車を降りる。


 まさか?

「今度はここで押し問答する気~?」


 以前、ファミレスに行ったときも大変だったものだ。

 私の言葉に大志くんがちょっと考えるように上を向く。そして、じゃぁお言葉に甘えて、と引き下がった。

 あら、今日はやけに素直みたい。

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