3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「着いちゃった」
ポツリと大志くんが呟いた。
気が付くとマンションのエントラス前だった。
「実句さん、明日は何するんですか?」
大志くんの質問に、ちょっと身構えてしまう。明日って、もしかして何か誘われるとか……?
「実家に荷物取りに行く、つもりだけど……」
元々予定してたことだけど、少し、答えるのに緊張してしまう。
「そうですか」
大志くんは優しく微笑むと、ゆっくり手を離した。
途端に手のひらがヒンヤリとする。
「大志くんは……何するの?」
「僕は友達の付き合いで買い物に」
そう言って大志くんが肩をすくめる。
誘われるなんてとんだ勘違いだったみたいで恥ずかしい……。
下を向くと自分の首元が視界に入った。