3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「あ、マフラーありがとう」
自分に巻かれていたマフラーを取り、大志くんの首に巻き付ける。
大志くんは一瞬驚いた顔をして身を任せていたけど、私が離れるとキュッとマフラーを握り締めた。
そして顔を埋める。
さっきまで私が巻いていたマフラーに、――愛おしそうに。
「ちょっ……」
カァァ……。
私が一気に顔を赤くすると、大志くんがバツが悪そうに、はにかんだ。
「ごめんなさい、つい」
つ、ついって~!!
「それじゃぁ、また」
追求を逃れるように一歩下がった大志くんに見送られて、私は自分の部屋へと戻る。
左の手のひらが、やけに寂しい反面、顔が綻ぶ(ほころぶ)のを止められなかった。