3番目の高度合成数。-年下のキミと-

 とは言っても、陽気に話しているのは二人で、一人はその向こうで二人に背を向けてガラスに頭を預けていた。



 その後ろ向きの男の子に目を奪われる。


「……」


 見覚えのある、ふわりとした黒髪。



 黒いニット生地のマウンテンパーカーの上からも分かる細い背中……。



 あれって……。



 ドキドキと脈が速くなるのを感じる。



「聞いてんのかよー?」

 少し体の大きな男の子が、私が見ている子の背中をバシバシ叩いた。


「っさいな。電車なんだから静かにしろよ、谷口(たにぐち)」



 ……!


 そう振り向いて、谷口、と呼んだ友達をギロリと睨んだのは……まさに、大志くんだった。
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