3番目の高度合成数。-年下のキミと-

「やだ、紹介してよ」

 やはりそんな大志くんに慣れているらしい谷口くんが、構わず頬を膨らませる。


 苦笑していると、大志くんがわざとらしく溜め息をついた。




「僕の片思いしてる人。実句さんです。これでいい?」



 ――っ!?



 バサバサッ。


 ビックリして思わず手提げ袋を落としてしまった。


 屈もう(かがもう)とうすると、私を手で制した大志くんが拾ってくれ、そのまま自分の手で持つ。

「持ちますね」

 なんて、涼しい顔で言ってるけど……!!


 こんな人前でなんてことを言い出すの?


 呆気に取られたのは私だけじゃない。

 友達二人も口をあんぐり、そして目も見開いて止まっていた。


「た、大志に……好きな人?」

 なんか、驚いているところが私と違うみたいだけど……。

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