3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「実句さん、帰るなら送ります」
奇異の目を無視した大志くんが、ニッコリといつものように優しく微笑んだ。
「え、でも友達は……」
両側の友達に目を向けると、大志くんも二人をジーッと見る。
「河村(かわむら)、谷口、悪いけど僕ここまでで」
「あ、あぁ。分かった」
谷口くんは口をパクパクさせて何か言いたげだったけど、もう一人の河村という子に腕を引っ張られて向こうの車両に消えてしまった。
でも、途中、「ポニーテルじゃなかった」と言っているのが微かに聞こえてしまった。
ポニーテール……。
図書館で見た大志くんの彼女だった子を思い出して、胸がチクリと疼いた。
「ってことで」
大志くんは満足げに微笑む。