3番目の高度合成数。-年下のキミと-


 大志くんは乗換えが必要だけど、一緒に私の最寄駅で降りた。

 今日は歩いて送ってくれるみたい。


「この付近に来ると、癖で『cube』に行っちゃいそうです」

 笑いながら改札を出る大志くんの背中を見つめる。


 電車の中から鼓動が止まらない。



 "僕の片思いしてる人"



 あんなに堂々と、いとも簡単に言ってしまった。


 朋くんとの隠す恋に慣れてしまった私には、ただただ驚きの言葉。


 もちろん、社内恋愛じゃあるまいし、隠す必要はないことかもしれない。

 だけど、高校生の男の子が友達の前で言えることでもないと思う。


 しかも、可愛い同級生でもなくて、こんなに年上だし……。
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