3番目の高度合成数。-年下のキミと-

 対応にハマって、いつもよりも一時間以上遅くなったお昼休み。


 一人買い出しから戻ると、ちょうどエレベーターが来ていた。

 閉じかけの扉に、慌てて乗り込む。


「……!!」


 心臓が止まりそうなほどビックリしてしまった。


 エレベーターの中に……朋くんが一人で壁に寄り添っていた。


 他に誰も来ませんように、と願いが通じたのか、そのまま静かに扉が閉まる。


「来てたんだ……」

「あぁ」

 朋くんは壁から動かず、エレベーターが示す階数を見ている。

 どこかの階で止まったら、即座に知らん顔をするんだろう。


「あの……、大丈夫?」

「何が?」

「なんか、昨日、事故ったって聞いたけど」

「人身事故じゃないから平気だ」


 考えの読めない、抑揚のない声。

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