3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「罪作りな高校生よねぇ」

 リナが大袈裟に首を振りながら言う。


 確かに、大志くんに出会わなければ、私はボーっと朋くんの帰りを待っていたと思うけど……。


「私は、感謝してるよ」

 やりたいことに向かう、きっかけを与えてくれたんだから。


「ふぅん……。ねぇ、実句?」

「ん?」


 急に真面目な表情になったリナがピタリと私の目を捉えた。


「実句って、槙原さんのこと、好きだった?」


「え……?」


 リナってば、何を言い出すんだろう。

 目を丸くする私に、「なんかさ」とリナが続ける。


「なんか話聞いてると、あっちがどう思ってるとか、そういうのばっかりで、実句の気持ちが出てきてない気がするなーって」

 リナの言葉に絶句してしまう。


 確かに、そうかも知れない……。
< 266 / 333 >

この作品をシェア

pagetop