3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 何だか、昼間の朋くんとのことを思い出してしまい、胸が痛くなってくる……。


 大志くんがそんな私の顔を見て、少し驚いたように否定した。


「違います。

何で僕……好きな人にこんな情けない姿ばっかり晒してるんだろう……って思うけど。

でも……どうしても実句さんに会いたくなっちゃうんです」


 大志くんが真っ直ぐに私を見つめる。


「僕には……実句さんじゃないと、意味がないです」



 ……今度は胸が苦しくなってくる。



 撫でていた大志くんの頭をそのまま引き寄せて、抱えるように抱き締めた。

「私、大志くんのこと守りたい」


 ――自分の口から出た言葉に、自分でも驚いていた。
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